めよ

2017/10/23

以前、とある事情でお世話になったおじいさんの話をします。

出だしの書き方から、もしやお涙頂戴の素敵なお話?と期待をされた方には申し訳ありませんが、みんなが感動して、涙して、猫も杓子もはてなブックマークでコメントをばしばしつけるようなエピソードは金輪際持ち合わせておりません。そんな素敵エピソードがあるなら、ぜひ欲しいです。「人生とはなんぞや!」みたいな問いに答えられるような骨太のエピソードとか、めっちょこ憧れます。でも、残念ながら、今回私が語ろうとしているおじいさんの話はそんな素敵な話でもないのです。あんまり期待しすぎないで欲しいと思います。まず、ハードルを下げましょう。

もっと言いますと、ほとんど記憶が風化してしまって、具体的にどうしたこうしたという話ですらありません。ただ、あまりにも記憶が風化してしまい、このままではおじいさんのことを忘れてしまいそうだったので、なんとかちょっとでも覚えているうちに、文章にしておきたいと思った次第です。こんなふうに書くと、ちょっと不思議な、ミステリーっぽい雰囲気になると思うのですが、これまたミステリーでもなんでもありません。江戸川乱歩の小説の導入部分ってこんな感じのがあったりしませんかね。

ぐだぐだと書いているうちに、500文字を突破しました。いつものことで、どうでもいいネタを書くときは、冒頭でぐだぐだするのが定番です。論文を書くときはまず結論から!が鉄則なんですけどね。結論を書いて、それから理由付けをしていく。もったいぶってはいけない。ただし、今回のおじいさんの話なんですが、もったいぶらないと数文字で終わってしまう危険性もあるのです。さすがに記憶が風化しているとはいえ、数文字では悲しい。

私がお世話になったおじいさんなんですが、口癖が「めよ」なんです。いろいろな話をしたと思うのですが、とにかく「めよ」が気になって、気になって、気になって、しかも、語尾が「めよ」というわけでもなく、とにかく話の中で気がつけば「めよ」と仰るので、たっぷり1時間近く話をしても、頭に残っているのは「めよ」だけ。話が終わって30分もすれば「あれ、なんの話をしてたっけ?」「めよ……しか覚えていない……」ということになるのです。

記憶が風化したのではなく、「めよ」のインパクトが強すぎて、そもそも「めよ」以外覚えていないのかもしれません。今も元気でいらっしゃればいいのですが……。合掌。